テオン・クロス『ファイア』
日本特別仕様盤 CD
発売日:2020年11月18日
ライナーノーツ(柳樂光隆) 付き
出荷は日本からのみ。(12月頭よりUSおよびUKからの限定枚数出荷開始予定)
ロンドンが生んだ世界屈指のジャズ・チューバ奏者テオン・クロスのすごさは、仲間たちと作り上げてきた独自の感性と技術だ。アメリカのジャズ・ミュージシャンがヒップホップからの影響を避けられないように、イギリスのミュージシャンはイギリスのラップ音楽であるグライムや、イギリスのエレクトロニック音楽でもあるダブステップ、さらには移民たちが持ち込んだアフロバッシュメントやソカ、ダンスホール・レゲエなどの影響を色濃く受けている。そのイギリスならではのトレンドをチューバの生演奏の中に落とし込めるのがテオン・クロスの特徴だ。オクターバーなどのエフェクターをチューバに繋げたりしながら、グライム的なベースラインをその打ち込みで作られたイギリスならではのサウンドのフィーリングをチューバという不自由な楽器で完璧に再現してみせる。その上でその低音域の太い音色を効果的に活かしながら鋭くリズミックにソロ・パートでも難なく魅せる。
2018年以降、テオンが起用されたサンズ・オブ・ケメット『ユア・クイーン・イズ・ア・レプタイル』、 シード・アンサンブル『ドリフトグラス』、モーゼス・ボイド『ダーク・マター』といった現行のイギリスのジャズの傑作だけでなく、シーンの中心にいるヌバイア・ガルシアやジョー・アーモン・ジョーンズ、ネリヤ、エズラ・コレクティヴらが自身の最高到達点を更新した。今作『ファイア』は、そんなイギリスのジャズ・シーンの隆盛を記録した重要な一枚としても記憶されることになるはずだ。
Crossは、初期のニューオリンズのベースラインの影響を受けながら、現代のグライムやトラップのシンセサイザーやリズムをミックスして、チューバを自分のものにしている。彼の革新的なスタイルは、より伝統的なジャズスタイルとダンスミュージックの間のギャップを開拓し、シーンに新しいダイナミックさをもたらしている。
トラックリスト
1.アクティブ化
2.供え物
3.放射線
4.4.手放すこと
5.メロエのキャンディス
6.パンダ村
7.シヤ
8.LDNのバーニング
Credits
シオン・クロス:チューバ
モーゼス・ボイド:ドラムス
ヌビア・ガルシア:テナー・サックス(1-4、6、8曲目
ウェイン・フランシス(アナンセ):テナー・サックス(Tracks 5 & 7
アーティ・ザイツ:エレキ・ギター(Tracks 5 & 7
ティム・ドイル:パーカッション(トラック5
ナサニエル・クロス:トロンボーン(トラック7
全ての曲はシオン・クロスが作曲・編曲を担当しています。
ウェイン・フランシス(アナンセ)とナサニエル・クロスによる「CIYA」のホルンアレンジ
ジャイルズ・バレットとデイヴィッド・ホームズによるSoup Studiosでの録音。
ミキシング:デビッド・ウェヒンム
Mastered and cut by Darrel Sheinman and Caspar Sutton-Jones at Gearbox Records